story

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夏の日差しがぐさりぐさりと私に降り注ぐ。昨晩雨が降ったからか、まだ少し湿気を含んだ空気が余計に息苦しく感じる。部活に向かう足取りはやっぱり重くて、今朝の事を思い出すと胸の内に広がる黒くずっしりした何かが拭えなくてすごく不快だ。「そんな部活…

1.

目をとじて、ふぅっと息を吐いた。私の集中のど真ん中には小さな丸いボールと、それを弾くパターのヘッドだけ。Par4の12番ホールのグリーン。残り80センチ弱。練習なら、外さない。今だって外す気はさらさらない。ゆっくり引いて、いつものテンポでボールを…